染谷将太という俳優は、その瞳に底知れぬ「虚無」と「熱狂」を同時に宿す、現代日本映画界の至宝である。7歳で子役として活動を始めて以来、彼は常にスクリーンの中で異彩を放ち続けてきた。
世界を震撼させたのは、園子温監督の『ヒミズ』。あの絶望の淵で叫ぶ住田祐一の姿は、観る者の魂を激しく揺さぶり、日本人初となるヴェネツィア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞受賞という快挙を成し遂げた。しかし、彼の真骨頂はその「変幻自在」な佇まいにある。『寄生獣』での数奇な運命に翻弄される青年から、『麒麟がくる』で見せた、狂気と純粋さが同居する全く新しい織田信長像まで、彼が演じるとその役は唯一無二の生命を宿す。
私生活では、自ら自主映画を制作し、カメラを愛でる。そのクリエイティブな視点は、演者としての枠を超え、作品全体を俯瞰する知性へと繋がっている。染谷将太という存在は、もはや一人の俳優という言葉では括れない。彼は、我々の想像力を常に裏切り、更新し続ける、映画の神に愛された「推し」である。
染谷将太



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