雲は、宇宙から数分ごとに見られている。気象衛星「ひまわり」の話

出来事:ひまわり9号の現在の定常観測と、8号から続く観測方式 | 日本・東経約140.7度の赤道上空
掲載・出典確認:2026年10月24日 | 気象と宇宙

気象衛星ひまわり8号が撮影した、雲に覆われた東半球
2022年6月24日、気象庁のひまわり8号が撮影した東半球。現在の日本付近の天気や、本文で触れる現在の観測画面ではありません。
写真:Japan Meteorological Agency / Himawari 8 Full Disk Earth / CC BY 4.0 / 原典。1280px JPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去し、色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。

台風や雨雲の画像を見ていると、雲が少しずつ動いていきます。あの連続した画像を撮っているのが、本運用中の日本の気象衛星「ひまわり9号」です。赤道の上空およそ3万5,800キロから、地球と同じ速さで回り、いつもほぼ同じ場所を見続けています。空の変化を追うために、宇宙に置かれた定点カメラのような存在です。

雲の渦が近づくときにも、その形だけで安心したりせず、気象庁の最新情報を確かめることが大切です。でも画面の向こうでは、地球を見守る観測が、今日も続いています。

10分ごとと2分半ごと、何が違う?

本運用中のひまわり9号は、ひまわり8号から受け継いだ観測方式で、衛星から見える地球全体を10分ごとに観測します。日本付近や台風など、特定のエリアは約2.5分ごとに見ます。

たとえば雲の形が変わる速さを追うとき、1枚の写真では分からないことがあります。数分ごとの画像を並べると、雲が広がる様子や動く向きが見えてきます。気象庁は、この観測を台風、低気圧、前線などの連続観測に使っています。

夜にも雲を追えるのは、なぜ?

ひまわりには、目で見える光だけでなく、赤外線を受け取る仕組みもあります。JAXAの資料によると、昼は雲の形や明るさを見て、夜は赤外線で雲の動きを観測します。雲の表面の温度や、水蒸気の分布も調べられます。

写真に写るのは、2022年6月にひまわり8号が撮影した東半球です。これは今日の天気図ではありません。それでも、青い海の上にのびる白い雲を見ると、ふだん画面で追っている天気が、地球まるごとの仕事につながっていることが分かります。

「静止」していても、衛星は回っている

気象庁が説明する静止衛星は、地球の自転と同じ周期で地球の周りを回っています。宇宙の一点で止まるのではなく、地上からほぼ同じ方向に見えるため、同じ範囲の変化を追えるのです。

記事の写真はひまわり8号の過去の観測、本運用の説明は9号です。写真の衛星名・撮影日と、現在の運用状況を分けて見ると、過去の画像を今日の天気と取り違えずに読めます。

元記事・発表

解説更新:2026年10月27日。掲載時の冒頭文・写真はそのままに、説明を見直しました。

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