有田焼の青い模様は、一度見えなくなります。

写真:Pekachu / Tools of making Arita ware in 17-18 centuries Kyushu Ceramic Museum.JPG / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
白い磁器に描かれた、有田焼の青い模様。その線は、描いてすぐに完成するわけではありません。下絵の上に釉薬をかけると、一度は見えにくくなり、高温で焼くことで再び現れます。器を形にする仕事、絵を描く仕事、窯で焼く仕事。それぞれの工程を経た模様が、私たちの食卓に届きます。2026年秋には有田のやま平窯も東京での工芸企画への参加を案内しています。器の表面を見ながら、その下にある工程もたどってみたくなります。
青い下絵は、釉薬の下にある
有田観光協会の工程紹介では、成形した器をまず約900度で素焼きします。その後、呉須という絵の具で輪郭を描き、内側を塗るなどして下絵を入れます。そこへ釉薬をかけると、白っぽい層で絵が隠れます。
約1300度の本焼成を経ると、釉薬は透明なガラス状になり、その下の青い絵が見えるようになります。絵の上に透明な層があることは、完成した器だけを眺めていると気づきにくいところです。
焼く前の形には、縮む分も含まれる
有田焼では、形づくりや絵付けなどを分業で担ってきました。焼成では成形時から約15%縮むため、作る段階の大きさが、そのまま完成品の大きさになるわけでもありません。写真の古い製作用具は、いくつもの仕事で器を仕上げてきた産地の歴史を伝えます。
やま平窯は10月7日の告知で、10月23日から11月5日まで東京で開かれるKOGEI WALK 2026への参加を案内しました。白い器も青い器も、形と表面が一度に出来上がるものではない。その順番を知ると、一本の線にも目が留まります。
染付と、赤や緑の上絵は何が違う?
観光協会の工程では、呉須だけで模様を付けた「染付」は約1300度の本焼成で完成します。赤や緑などの上絵を足す場合は、その後に釉薬のガラス質の上へ描き、700〜800度ほどで焼き付けます。
青を釉薬の下へ入れる仕事と、色を釉薬の上へ載せる仕事。同じ絵付けという言葉でも、順番と色の位置が違います。体験教室を探すときも、どの工程を行うのかを見ると内容を読み取りやすくなります。
元記事・発表
解説更新:2026年10月27日。掲載時の冒頭文・写真はそのままに、説明を見直しました。
もう一つ、世界の話を。
土が器や道具に変わるまでを、もう一つ。