秋の黄色、じつは緑の葉にも隠れていました。

写真:Kakidai / Ginkgo_biloba_-_Hibiya_Park.jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
緑だったイチョウの葉が、秋になると黄色くなる。新しく黄色の絵の具を足したようにも見えますが、その色は、緑の葉の中にもともとあったものです。緑の色素が分解されると、それまで目立たなかった黄色の色素が見えてきます。
紅葉の便りが増える10月下旬。赤い葉も黄色い葉もまとめて眺めがちですが、同じしくみで色が変わっているわけではありません。赤くなる葉には、新たに作られる色素も関わります。一本の木の色づきに目を向けると、ふだん見えなかった葉の中の働きが分かります。
緑が薄れると、黄色が見える
森林総合研究所の解説によると、葉の中には緑の色素「クロロフィル」と、黄色の色素「カロテノイド」があります。緑の葉で黄色が目立たないのは、クロロフィルの色が強いためです。
秋が深まり、葉が老化してクロロフィルが分解されると、黄色が目に入るようになります。福岡教育大学の植物形態学の資料も、緑の色素が失われたあとに、残ったカロテノイドの色が現れると説明しています。イチョウの黄色には、そんな変化が関わっています。
赤い葉では、別の色素も作られる
カエデなどで見られる赤色には、「アントシアニン」という色素が関わります。これは、秋に葉の中で新たに作られる色素です。もともとあった黄色が見えることと、赤い色素が作られることは、違う働きなのです。
色が変わる順番や、色素の残り方は、木の種類や条件で異なります。すべての葉が緑から黄色、そして赤へと同じ順番で変わるわけではありません。黄色が多い木、赤くなる木、いくつもの色が混じる葉。それぞれに色素の違いが表れています。
ここに載せた写真は2016年11月の日比谷公園のイチョウです。今年の色づきの実況ではありませんが、あの黄色を知ると、まだ緑の葉にも同じ色素があることが少し不思議に感じられます。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
身近な植物にも、意外なしくみがあります。