松ぼっくりは、ぬれると閉じます。

写真:Krzysztof Ziarnek, Kenraiz / Pinus thunbergii kz04.jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
開いていた松ぼっくりが、水にぬれると閉じることがあります。生きた枝が動かしているわけではなく、実を包む鱗片が水分によって反るためです。クロマツでは、球果はできた年のすぐ後ではなく、翌年の秋に熟して開き、種子を出します。秋の枝先に見える茶色い松ぼっくりには、時間をかけて種子を育てる働きと、乾いたりぬれたりすると形を変える性質が重なっています。岡山理科大学の植物解説と北海道大学の実験紹介から、その開き方をたどります。
一枚ずつの鱗片が、重なった形
クロマツの松ぼっくりは、植物学では球果と呼びます。雌花に由来する部分で、鱗片がらせん状に並んでいます。岡山理科大学の解説は、二年目の秋に成熟して、鱗片が開き、種子を飛ばすと紹介しています。
枝先の球果は、花が咲いた季節から一つ先の年の秋まで、育つ時間を持っています。見えている形だけで、その年にできた実と決めることはできません。
湿り方が変わると、形も変わる
北海道大学のCoSTEPは、松ぼっくりを水に入れる実験を紹介しています。開いていた鱗片が閉じ、水から出して乾くと、再び開きます。鱗片に水分が加わると反り方が変わる性質による動きです。
実験で閉じたり開いたりした時間は、その松ぼっくりと実験条件での記録です。どの松ぼっくりでも同じ時間で動くという意味ではありません。種子を出す球果の形は、固定された器ではなく、周りの乾湿とも関わっています。秋に足元へ落ちたものにも、枝から離れた後に残る性質があります。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
身近な植物にも、意外なしくみがあります。