ひっつき虫は、小さなかぎで旅をします。

写真:Roger Culos / Xanthium strumarium MHNT.BOT.2004.0.213.jpg / CC BY-SA 3.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
秋の草むらを通った後、服に小さな実が付いていることがあります。「ひっつき虫」と呼ばれますが、虫ではなく、植物が作った実や種子です。自分で歩けない植物には、動物の体に付いて運ばれるものがあります。その付き方も一つではありません。先端が曲がったかぎを持つもの、逆向きのとげを持つもの。福岡教育大学の形態資料と国立科学博物館の種子散布の解説には、身近な小さな実が使う、形の違いが紹介されています。秋の服に残る実にも、運ばれ方の工夫があります。
曲がった先端が、毛にかかる
オナモミの実を包む部分には、先端が曲がったとげがあります。福岡教育大学の植物形態資料では、ヌスビトハギやキンミズヒキにも、動物の毛などにかかるかぎ状の構造が見られると紹介されています。
実や種子が動物の体の外側へ付いて運ばれる方法は、動物付着散布と呼ばれます。運ばれる距離は条件によって異なり、一つの実がどこまで移ったかは、形だけからは分かりません。
同じ付き方ばかりではない
センダングサの仲間では、突起に逆向きのとげが並びます。曲がったかぎを使うオナモミとは、毛などにかかる構造が違います。国立科学博物館の資料も、種子や果実の形と、運ばれ方の関係を取り上げています。
動物に付く植物には、粘るものや泥などにまじって運ばれるものもあります。どの「ひっつき虫」も同じとげを持つわけではありません。足元の草が実を結ぶ季節には、小さな形の違いが、次の場所へ移る方法の違いにもなっています。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
身近な植物にも、意外なしくみがあります。