春の葉は、冬の枝に小さくしまわれています。

写真:Kingfiser / Acer japonicum winter bud.jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
葉が落ちた枝は、春まで空っぽになるわけではありません。枝先や葉の付け根には、次に開く葉などを小さく収めた冬芽が残っています。東京大学北海道演習林は、冬芽は夏から秋に作られ、折りたたまれた葉を芽鱗で包むものがあると紹介しています。北海道大学の植物資料も、冬芽を冬を越す休眠芽の一つとして説明しています。秋の終わりは、葉の陰に隠れていた芽が見えやすくなる入口です。春の芽吹きの準備は、枝に葉がなくなってから初めて始まるものではありません。
小さな葉を、芽鱗が包む
東京大学北海道演習林の解説によると、冬芽は夏から秋に形成され、春に開く葉が小さく折りたたまれています。外側の芽鱗が、それを包んで寒い季節を迎えます。
冬芽の形は樹種によって異なります。ホオノキやシウリザクラには尖った芽、シナノキやイヌエンジュには丸い芽があり、キタコブシでは毛のある芽鱗が見られると紹介されています。すべての芽が同じ殻に入っているわけではありません。
葉が離れた場所のそばにも、芽がある
北海道大学の資料は、冬芽を、茎の先や葉のわきにできる休眠芽の一種で、低温に耐える性質が高いと説明しています。葉が落ちた枝にも、次の成長につながる部分が残ります。
掲載したのはハウチワカエデの芽で、本文に挙げたホオノキなどの芽を並べて比較したものではありません。葉のない木を見る時にも、枝の先の小さな形を知ると、休んでいる木と次の春とのつながりが分かります。芽吹く前の準備は、冬の枝の上ですでに形になっています。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
身近な植物にも、意外なしくみがあります。