あの丸いコキア、刈り込んでいません。

写真:くろふね / ひたち海浜公園のコキア_04.jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGに縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
赤い毛糸玉のようなコキアが、丘いっぱいに並ぶ。茨城県の国営ひたち海浜公園で見られる、秋の景色です。あれほど丸いと、ひと株ずつ刈って形をそろえているようにも見えます。でも公園によると、丸くするための刈り込みはしていません。使っている品種そのものに、丸く育つ特徴があります。
10月23日撮影の公式花情報では、赤と茶色が混じる秋の後半の姿が紹介されました。色が移り変わるあの丘には、植物の性質と、小さな苗を植える人の仕事が重なっています。
丸い株は、いつから育てている?
公園では毎年6月ごろ、高さ10〜15センチほどの苗を植えます。いま見える丸い株も、最初からあの大きさだったわけではありません。夏のあいだは緑色で育ち、秋に赤くなり、やがて赤茶色や黄金色へと変わっていきます。
植える前には土へ有機質の肥料を混ぜ、植え付けるときには一株ずつ十分に水を与えます。形を刈ってつくる代わりに、その植物に合った準備をする。丸い丘を支える手入れは、見え方から想像するものと少し違っていました。
ほうき草と、とんぶりはどうつながる?
コキアの和名は「ほうき草」。昔は乾燥させた茎を束ね、ほうきを作っていました。赤い姿を眺める植物に、家の中で使う道具としての顔もあったのです。
また、ホウキギの実を加工した食べ物が「とんぶり」です。農林水産省は、秋田県大館市のとんぶりを、小さな粒のプチプチした食感が特徴の加工品として紹介しています。ただし、公園に植えられているのは観賞用の品種です。
公園と同じ品種は、買える?
公園のQ&Aによると、使っているのは公園用に開発された品種で、一般向けの販売や園内販売はしていません。家で育てるコキアを、同じものと思い込まないことが大切です。
また、公園はコキアを植え替えが苦手な植物として紹介し、家庭では種から育てる方法を勧めています。公園の苗の植え付け方と、家庭向けの案内は分けて読むと分かりやすくなります。
元記事・発表
解説更新:2026年10月27日。掲載時の冒頭文・写真はそのままに、説明を見直しました。
もう一つ、世界の話を。
身近な植物にも、意外なしくみがあります。