秋に生まれたアユは、まず海へ下ります。

出来事:9〜11月の産卵から、孵化した仔魚の流下へ続くアユの生活史 | 日本の川と沿岸・太田川の例
掲載・出典確認:2026年10月26日 | 身近なしくみ

岸の石の上に置かれたアユの成魚
2010-06-022010年6月2日撮影のアユ。秋の産卵や仔魚の流下を写したものではありません。
写真:Apple2000 / Plecoglossus altivelis altivelis ayu.jpg / CC BY 3.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。

川を上る魚として知られるアユも、生まれてすぐは下流へ向かいます。秋に川の砂礫へ産み付けられた卵から孵ると、小さな仔魚は流れに乗って海へ入り、寒い季節を過ごします。春に川を上るのは、その後の段階です。環境省の生活史資料と国土交通省太田川河川事務所の生物図鑑には、この川と海をつなぐ一年が紹介されています。秋の川で起こるのは、産卵して一年を終える成魚の営みと、次の世代が海へ向かう始まり。上る姿の前には、下る時間があります。

流れのある砂礫へ、卵を付ける

太田川の生物図鑑では、産卵期は9月から11月。中流と下流の境目にある、比較的流れの速い砂礫底の瀬を産卵場所としています。卵は砂や礫に付着し、主に夜に産卵します。

雌は一度に卵を放ち、雄は数週間にわたって産卵に参加すると紹介されています。成魚は生後一年で成熟し、産卵後に死ぬ一年魚です。

海で過ごしてから、川へ上る

環境省の資料は、孵化した仔魚がすぐに川を下って海へ入り、秋から春の低水温期を海域で生活すると説明しています。翌春、稚魚となったアユが川へ遡上します。

秋の川の繁殖場所と、冬に過ごす海は、生活の別々の段階を受け持っています。掲載した成魚の写真は、卵や流下する仔魚の記録ではありません。川で成長した魚が次の世代を残し、その小さな魚が海へ渡る。アユの一年には、川を上るのとは逆向きの移動も組み込まれています。

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