秋のサンマは、いつも同じ道を南へ来るとは限りません。

写真:出羽雀台 / Cololabis saira in a tank.jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
秋になるとサンマが日本の近くへ南下してくる。よく聞く季節の動きですが、毎年同じ道を、同じ速さで来るわけではありません。水産庁の資料は、近年の漁場が沖合へ遠ざかっていることと、海の流れや水温の変化との関係を示しています。水産研究・教育機構の研究は、魚が西へ動き始める時期の遅れにも目を向けました。8月から11月に漁場が形成される季節、食卓の魚へ続く道には、海の状態だけでなく、サンマ自身の育ち方と移動の時間も関わっています。
海の状態が変わると、分布も変わる
水産庁の白書は、夏から秋にかけての産卵回遊と、日本水域で8月から11月に形成される漁場を図で示しています。その上で、近年の南下経路が沖合化していると説明しています。
親潮の南下が弱まることや、釧路沖・三陸沖の水温上昇が、分布や回遊の変化、漁場が沖合へ移ることに関係するとしています。秋という同じ季節でも、魚が通る海の条件は一定ではありません。
西へ動く時期にも、研究の目を向ける
水産研究・教育機構が2023年に公表した回遊モデルの研究は、6〜7月の体重の減少と、西へ向かう回遊開始の遅れとの関係を示しました。遅れが生じると、本州沿岸へ届かず、東方の沖合を南下する個体が増える可能性があります。
これは回遊の仕組みを探る研究で、2026年の来遊量や漁獲量の予測ではありません。長い海の移動は、地図上の一本の線より複雑です。同じ秋の魚でも、どこから、いつ動き始めたかが、岸との距離を変えることがあります。
元記事・発表
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水の中の旅と、生き物の育ち方をたどります。