越前和紙は、水の中で繊維を広げます。

写真:TR15336300101 / Japanese paper making 03.jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
紙をすくう作業は、水から白い一枚を取り出すように見えます。けれど、水の中に広がっているのは、細かくほぐした植物の繊維です。越前和紙の工房では、それを均等に広げ、重ね、乾かして紙にします。薄い一枚になる前には、原料を煮たり、ちりを取ったりする仕事もあります。2026年10月9日から11日の工房公開イベントRENEWでは、和紙漉き体験も案内されました。すくう瞬間だけを見ても、実は長い工程の途中なのです。
煮て、ほぐして、水に広げる
福井県和紙工業協同組合は、越前和紙の基本工程を八つに分けています。原料を水につけて洗い、煮て、灰汁を出し、ちりを取り、繊維をたたいてほぐす。その後に紙をすき、圧搾・乾燥、仕上げへ進みます。
越前市の長田製紙所は、襖紙づくりを写真で公開しています。コウゾを煮て柔らかくし、皮や節の不要な部分を取り除きます。水には、トロロアオイから取り出した「ネリ」という粘液も加えます。長い繊維を均等に広げ、絡ませるための材料です。
紙の原料で、柄もつける
同製紙所の襖紙では、すいた紙の上に、色をつけた原料を流したり、和紙でつくった花を置いたりして柄をつけます。インクで刷る方法だけが、紙を飾る手段ではありません。柄をつけた紙は銀杏の板に貼って乾かし、板から剥がします。
RENEWの主催者が10月8日に発表した案内も、産地の工房を開き、手仕事を見る機会を紹介するものでした。掲載写真は2019年の卯立の工芸館の紙漉きで、今回のイベントの様子ではありません。白い紙の後ろにある、原料と水と道具の仕事をたどるための一枚です。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
身近な素材を変える、職人の工夫です。