干し柿の渋みは、タンニンが消えてなくなるわけではありません。

写真:Sakaori (talk) / Matsuzato Koro-Gaki of dried persimmon for gifts.JPG / CC BY-SA 3.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
渋い柿を干すと、甘く食べられる干し柿になります。もともとあった渋みは、どこへ行くのでしょうか。鍵になるのは、渋みのもとであるタンニンが、水に溶ける状態から溶けにくい状態へ変わることです。物質が全部なくなる、という変化ではありません。日本植物生理学会は、乾燥と呼吸の変化で生まれるアセトアルデヒドが、その変化に関わると説明しています。秋に収穫した柿を加工する仕事には、水分を減らすことと、渋みを感じにくくすることが重なっています。
溶けるタンニンが、渋く感じられる
柿の渋みには、水に溶けるタンニンが関わっています。タンニンが溶けにくい形になると、口の中で渋みを感じにくくなります。日本植物生理学会の解説では、アセトアルデヒドがタンニンを結び付け、不溶化させるとされています。
皮をむいて干すと、表面の乾燥に伴って呼吸の状態が変わり、アセトアルデヒドが生じます。水を抜くだけでは説明しきれない、果実の中の変化があります。
干し柿にも、産地ごとの工程がある
農林水産省に登録された岐阜県の堂上蜂屋柿では、11月中旬ごろに収穫し、枝を残した果実を追熟させ、手で皮をむき、乾燥へ進める工程が記されています。渋みが変わる仕組みは共通していても、品種や産地ごとに仕事の順番や管理があります。
掲載したのは過去の別産地の干し柿で、堂上蜂屋柿の製造現場ではありません。秋に実った渋柿が、乾燥を経て違う食べ物になる。その途中には、形や水分の変化だけでなく、渋みを口へ渡しにくくする化学の変化があります。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
収穫の後にも続く、食べ物の手入れです。