トキを放す前に、森と田んぼを練習します。

写真:Hisagi / Sado Crested Ibis Reintroduction Center.jpg / CC BY-SA 3.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
トキを自然へ戻す仕事は、ケージの扉を開ける日だけではありません。飛ぶこと、自分で餌を探すこと、ほかのトキと過ごすこと。放鳥の前には、佐渡の里山を再現した大きなケージで、およそ3か月の訓練を行います。2026年10月16日、環境省は本州で放されたトキの追跡状況を公表しました。佐渡で続けてきた野生復帰の取り組みは、島の外にも広がっています。空を飛ぶ一羽の向こうには、鳥の練習と、餌を探せる場所を整える仕事があります。
ケージの中にも、里山がある
環境省の資料では、トキが野生で暮らすためには、餌場になる農地や湿地、ねぐらや営巣のための林が、結びついていることが必要とされています。放鳥候補の鳥は、そうした佐渡の環境を再現した順化ケージで、飛翔、採餌、社会性などを身につけます。
放す時期にも、田んぼの暦が関わります。同省は、春は田の生きものが豊富な6月上旬、秋は稲刈り後の田で餌を探せる9月下旬ごろを基本にしています。鳥を送り出す日と、外に食べものがある時期を合わせる考え方です。
放した後も、見守りが続く
新潟県も、佐渡での野生復帰と定着を目標に取り組みを進めています。ケージから出ることと、その土地で暮らし続けることは、一続きの課題です。
環境省の10月16日の発表は、5月31日、6月14日、10月7日に本州で放した計27羽について、生存や分散をGPSなどで把握する内容でした。これは佐渡島内の放鳥ではありません。写真も2012年の佐渡の施設で、今年の放鳥の場面ではありません。
飛べる場所、食べる場所、休む場所。トキのいる景色を支えるものは、一羽の鳥よりずっと広い範囲に続いています。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
鳥たちの移動と、それを支える場所の話。