寒造りの酒蔵にも、温かく保つ部屋があります。

写真:皓月旗 / Yoshida Sake Brewing 2022.jpg / CC BY 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
寒い時期に仕込む日本酒を、寒造りと呼びます。けれど、酒蔵の工程を全部冷やしておけばよいわけではありません。麹を育てる部屋は、温かく湿った状態に保ちます。和歌山県の高垣酒造と千葉県の寺田本家の工程紹介には、冷たい水を使う場面と、麹室や醪の温度を見極める仕事の両方が出てきます。晩秋から冬へ向かう酒造りには、季節の寒さを使うことと、必要な場所を温かく保つことが重なっています。米が酒へ変わる途中で、求められる温度も変わるのです。
麹を育てる工程は、温かい室の中で進む
高垣酒造は、寒い時期に仕込む手造りの酒づくりを紹介しています。洗った米を水へ浸す時間も見極め、蒸した米から麹を作る工程は、高温多湿の麹室で進めます。
蒸米を冷まし、麹菌を振り、寝かせて育てる。寒い季節の作業でも、麹を育てる部屋の条件は、外の空気へ任せるものではありません。
糖へ変える働きと、発酵する働き
寺田本家は、日本酒づくりに働く主な微生物として、麹カビ、乳酸菌、酵母菌を挙げています。米のデンプンを糖へ変える糖化と、アルコール発酵が同じ工程の中で進む方式を、並行複発酵と説明しています。
同蔵の冬の仕事の記録には、麹室や醪のタンクの温度を見極める場面があります。掲載した建物は別の蔵で、ここで紹介する二社の施設ではありません。寒い季節に作ることと、すべてを同じ温度にすることは違う。工程ごとに微生物の働く条件を整える仕事が、酒の仕込みを支えています。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
収穫の後にも続く、食べ物の手入れです。