寒造りの酒蔵にも、温かく保つ部屋があります。

出来事:晩秋から冬の寒造りと、麹づくり・発酵で異なる温度管理を解説 | 和歌山県・千葉県の酒蔵の例
掲載・出典確認:2026年10月26日 | 身近なしくみ

島根県安来市にある吉田酒造の建物
4 May 2022, 15:57:182022年5月4日撮影の吉田酒造。本文で紹介する高垣酒造・寺田本家の施設や、2026年冬の仕込みを写したものではありません。
写真:皓月旗 / Yoshida Sake Brewing 2022.jpg / CC BY 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。

寒い時期に仕込む日本酒を、寒造りと呼びます。けれど、酒蔵の工程を全部冷やしておけばよいわけではありません。麹を育てる部屋は、温かく湿った状態に保ちます。和歌山県の高垣酒造と千葉県の寺田本家の工程紹介には、冷たい水を使う場面と、麹室や醪の温度を見極める仕事の両方が出てきます。晩秋から冬へ向かう酒造りには、季節の寒さを使うことと、必要な場所を温かく保つことが重なっています。米が酒へ変わる途中で、求められる温度も変わるのです。

麹を育てる工程は、温かい室の中で進む

高垣酒造は、寒い時期に仕込む手造りの酒づくりを紹介しています。洗った米を水へ浸す時間も見極め、蒸した米から麹を作る工程は、高温多湿の麹室で進めます。

蒸米を冷まし、麹菌を振り、寝かせて育てる。寒い季節の作業でも、麹を育てる部屋の条件は、外の空気へ任せるものではありません。

糖へ変える働きと、発酵する働き

寺田本家は、日本酒づくりに働く主な微生物として、麹カビ、乳酸菌、酵母菌を挙げています。米のデンプンを糖へ変える糖化と、アルコール発酵が同じ工程の中で進む方式を、並行複発酵と説明しています。

同蔵の冬の仕事の記録には、麹室や醪のタンクの温度を見極める場面があります。掲載した建物は別の蔵で、ここで紹介する二社の施設ではありません。寒い季節に作ることと、すべてを同じ温度にすることは違う。工程ごとに微生物の働く条件を整える仕事が、酒の仕込みを支えています。

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