津軽塗の模様は、最後に「研いで」現れます。

写真:Kaburamata / Tsugaru lacquerware (Tsugarunuri).jpg / CC BY-SA 4.0 / 原典。1280px以内のJPEGへ縮小。EXIF、XMP、GPSを除去。色調変更・追加トリミング・文字の焼き込みなし。
津軽塗の模様は、表面に描いて終わりではありません。色の違う漆を重ね、乾かし、研ぐことで、下の層が顔を出します。赤や黄や黒が入り組む器は、いわば色の断面を見せています。弘前を中心に続く漆器には、唐塗、ななこ塗、紋紗塗、錦塗という四つの代表的な技法があります。2026年10月の伝統工芸士会作品展では、普段使いの品も紹介されました。食卓に置く一枚の皿にも、塗り重ねた時間を見つけられます。柄の奥には、乾かす時間もあります。
唐塗は、凹凸を研いで層を見せる
弘前市は、津軽塗を「研ぎ出し変り塗」の技術として紹介しています。代表的な唐塗では、まず漆で凹凸のある模様をつけ、その上に色漆を重ねます。研いで平らにすると、層ごとの色が表に現れます。
木の器の形をつくる木地師と、下地や塗りを担う塗師。一つの器には、別々の仕事がつながっています。市の解説には、模様の種類を増やし、配色や素材を工夫してきた技術の歩みも記されています。
なぜ完成まで、二か月以上かかる?
産地組合は、津軽塗を40数回の工程と、完成まで二か月以上をかけるものづくりとして説明しています。乾かす時間を挟みながら、塗りと研ぎを積み重ねます。
組合が10月8日に告知した第28回津軽塗伝統工芸士会作品展は、10月9日から12日まで青森市のアスパムで開くという案内でした。日常で使える漆器も並べる、と紹介されています。掲載写真は2015年の製品で、今回の展示を撮ったものではありません。模様を見てから工程を知ると、色の境目は、何度も手をかけた跡としても読めます。
四つの模様は、全部同じつくり方?
産地組合は、現在伝わる代表的な技法に唐塗、七々子塗、紋紗塗、錦塗を挙げています。弘前市も、唐塗の技法を基本にしたものと、ななこ塗の吸い上げ技法を基本にしたものに大別しています。
ここで説明した凹凸と色の層の話は、唐塗を入り口にしたものです。津軽塗という名前だけで全て同じ模様を想像せず、技法名まで確かめると、一枚の器の見方が増えます。
元記事・発表
解説更新:2026年10月27日。掲載時の冒頭文・写真はそのままに、説明を見直しました。
もう一つ、世界の話を。
身近な素材を変える、職人の工夫です。