湿地を育てたビーバーに、もっと広い場所を。英国ハムフェンで囲いを撤去

写真:Charlie Marshall / Beaver in the Buttercups / CC BY 2.0 / 原典。Wikimedia Commons配信の1280px画像をJPEGとして再保存し、EXIF・XMP・GPSなどのメタデータを除去。追加のトリミング・色調変更・文字の焼き込みなし。
湿地を守るために、ビーバーの囲いを外す。英国南東部のハムフェン自然保護区で、そんな一歩がありました。
現地の保護団体ケント・ワイルドライフ・トラストが、2026年9月23日に発表した取り組みです。20年以上の保全活動の間、ビーバーは木を切り、ダムや池をつくり、水辺の風景を変えてきました。
水位が上がり、水のたまる場所と木々のある場所が入り交じる湿地に。そこで今度は、保護区の外へも動けるようにしたのです。枝を運ぶ動物の仕事が、周りの生き物の居場所にもつながっています。
ビーバーは、なぜダムをつくる?
ビーバーがダムをつくるのは、自分たちが安心して食べたり、仲間と過ごしたりできる水場をつくるためです。小川などにダムができると、水がたまり、池や湿地が生まれます。
ハムフェンでは、木をかじって切る行動も風景を変えました。同トラストによると、開けた水面、湿地、低木の茂み、林が組み合わさり、湿地の生き物を支える環境になっています。一種類の景色ではなく、小さな違いのある場所が並ぶのです。
水辺の変化は、研究でも確かめられている
英国南西部のデヴォンでは、エクセター大学とデヴォン・ワイルドライフ・トラストが、野生のビーバーを10年にわたり調べました。2024年5月の大学発表によると、4家族の縄張りにできた湿地には、合わせて2,400万リットルを超える水が蓄えられていました。
調査では、水がゆっくり下流へ流れ、乾燥した時期にも、ヒキガエルやトンボ、ミズハタネズミなどが生きられる緑の水辺が残ったと報告されています。これはデヴォンの調査結果で、ハムフェンで測った数字ではありません。
囲いの外へ広げるために、人がすること
水位が上がると、農地の使い方に影響する場合もあります。ハムフェンの新しい取り組みでも、保護団体だけでなく、農家や研究機関、行政などが連携し、人とビーバーが暮らせる方法を探っています。
囲いを外した先で湿地がどこまで広がるかは、これからの経過です。すでに保護区で見えているのは、一匹の動物の暮らしが、水面や茂みをつくり、別の生き物の居場所にもなるということ。水辺を育てる仕事には、こんな担い手もいます。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
水辺や生き物の居場所を、もう少し。