夕空の黒い雲は、眠る前の鳥でした。英国のホシムクドリの群舞

写真:Walter Baxter / A starling murmuration at Galashiels - geograph.org.uk - 5991163.jpg / CC BY-SA 2.0 / 原典。Wikimedia Commons配信画像を幅1280px以内のJPEGへ再保存し、EXIF・XMP・GPS等を除去。追加のトリミング・色調変更・文字の焼き込みなし。
夕空の黒い雲が、広がったり、細くなったり。その正体は、ねぐらへ入る前のホシムクドリの群れです。英国では秋から冬にかけて、こうした群舞を見る機会が増えます。もともと暮らす鳥に、北欧などから冬を越しに来る鳥が加わるためです。英国王立鳥類保護協会は、2026年の11月の自然観察案内でも、この光景を紹介しています。大きな群れは豊かさの証しに見えますが、それだけで鳥が増えているとは言えない。そのことも知って、夕空を眺めます。
ねぐらに入る、その前に
群舞は英語で「マーマレーション」と呼ばれます。日暮れに集まり、形を変えながら飛んだあと、鳥たちはヨシ原などのねぐらへ下ります。
英国の湿地保全団体WWTも、マーティン・ミアの湿地で大群がつくる模様を紹介しています。群れで飛ぶことは、捕食者が一羽を狙いにくくする働きがあると考えられています。ただ、決まった時刻に必ず同じ形が現れるわけではありません。
大群でも、減少を見落とさない
王立鳥類保護協会の案内では、英国のホシムクドリは1995年から2023年に57%減少しています。冬に集まった群れの大きさと、長い期間の個体数の変化は別なのです。
観察に出かけるなら、保護区が出す直近の目撃情報や開放状況を確かめます。派手な光や音で鳥を動かすのでなく、ねぐらへ戻る時間を静かに待つ。空の模様をつくっているのは、一日の終わりを迎える生きた鳥たちです。
元記事・発表
もう一つ、世界の話を。
渡りとねぐらをつなぐ、水辺の鳥の話。